2012.07.09

ソーシャルメディアは何を変えたのか

ジャーナリスト / メディアアクティビスト / 津田大介

津田

ジャーナリスト/メディアアクティビスト 津田大介

今回、インタビューさせて頂いたのは、ジャーナリスト/メディアアクティビストの津田大介氏(@tsuda)です!

早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース非常勤講師、
一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事。
その他はIT・ネットサービスやネットカルチャー、ネットジャーナリズム、著作権問題、
コンテンツビジネス論などを専門分野に執筆活動を行われています。
ソーシャルメディアが起こした「革命」とは何なのか。
学生にとってソーシャルメディアはどう活用すべきなのか。

津田氏の学生生活から今に至るまで、様々なお話をReLifeが伺って来ました!
(最近では、『情報の呼吸法』(朝日出版社)、新刊『動員の革命』(中央公論新社)を出版。
2011年9月より週刊メールマガジン「津田大介の『メディアの現場』」も大好評です!)

 

ソーシャルメディアはパブリックにものを言い、考えて情報を発信する「訓練の場所」として非常に効果的

津田さんは、学生の私からみても、IT分野多岐にわたってお仕事をされている印象があります。インターネット全般を視野に入れて、ビジネスを始めることになったきっかけは何だったのでしょうか?

 1993年頃、これから新しいメディアの転換点としてインターネットが台頭してきたばかりの頃、大学時代という一番時間があるときに自分がインターネットに触ることが出来たというのが一番大きな要因です。
 元々、僕はメディアには興味があって、将来マスコミ業界で働くことを志望していました。しかし、マスコミでは出来ないような広がりをインターネットが持ち、「これは世界を変える」と思って、その頃からネットにハマっていったんですよね。
 結果的には、雑誌や新聞、テレビなどのオールドメディアと、ツイッターやニコニコ生放送など、インターネットなどのニューメディアどちらも関わるようになりました。メディアそのものが好きで、どちらの良さも悪さも知っている言わば中間的な存在だと自分では思っています。

 

ITジャーナリストの印象が強い津田さんですが、学生の頃から新旧・マス問わず、様々なメディアに触れていたのでしょうか?

 僕、大学生のころが一番雑誌読んでいましたし、インターネットは24時間、暇な時は触っていました。
 昔は電話代がかかりましたが、大学のコンピュータールームに行けば、インターネットが完備されていたので、無料で触ることが出来ました。大学時代が新旧両方のメディアの接触時間が一番長かったというか、inputばかりしていましたね。

 

最近、「情報の呼吸法」、「動員の革命」という本を出版されました。それらの本を出版した経緯は何だったのでしょうか?

 自分から本を出したいと打診したのではなく、編集者の方から提案を受けて、断りきれずに出すことが多いですね、僕の場合は(笑)
 情報の呼吸法に関しては、編集を担当された方がソーシャルメディアとの付き合い方のブックレットみたいものを作りませんかという提案があり、動員の革命は、ここ3年くらいソーシャルメディアに関する講演をやっていたこともあり、講演を聞いた編集者がその講演録を本にしたら面白いじゃない?と提案され今現在、本として世に出ているという状況です。

 

ソーシャルメディアとの付き合い方という点で、津田さんがソーシャルメディアに深く関わったのはいつ頃なのでしょうか?

 僕はインターネットを使うことが元々仕事だったので、新しいサービスが出たらすぐ使うようにはしていました。
 代表的な例が99年のNapster(ナップスター)です。今思えば、1999年にNapsterが出てきて、それに触ったことが自分の人生の転機だと思っています。音楽ファイルを個人個人がPCで繋げて交換でき、しかもそれにコミュニケーション機能も付いていましたからね。あれは元祖ソーシャルメディアと言っても過言ではないです。そういうサービスを触ってみて、個人個人が繋がって、それが大きな動きを生み出していくことが面白いと思ったんです。
 そういう意味では、ブログもブームになる前からやっていましたし、あとはTwitterもすごく早い時期からやっていました。
 とにかく新しいものが出てきたら出来るだけ早く使って自分で試すようにはしていました。仕事でもありますが、単純にそういうサービスを触ることを楽しんでいたことが大きいかもしれません。

 

今の僕達学生が始めて触った代表的なソーシャルメディアは、「mixi」がほとんどだと思います。世代的に、Napsterを触ったことがある人は少ないと思います。

 ソーシャルメディアの定義は広いです。一応、ブログやWikipediaもソーシャルメディアの部類に入ります。 ただ、Napsterを触ったことがある学生は少ないと思いますね。
 今学生の多くが使っていると思われる、AppleのiTunesもインターフェースだけをみると、Napsterを合法化したみたいなものです。

 

mixiからソーシャルメディアに触れる世代と、Napsterの時代から触られている世代の方では、付き合い方という面でやはり変わってきますか?

 インターネットの面白さや醍醐味は、自分とは接点がない面白い人と、会話をしてみたり、実際に会って友達になってみたり、「知らない人との出会い」にあると思っています。
 mixiは友達とのやり取りが中心で、サークルノートをみんなでやっているようなものです。あれも楽しいんですけど、やはりインターネットは知らない人や知らない情報と出会って、コミュニケーションして何かのきっかけになっていくことが面白いんです。
 そういう意味で僕は、Twitterはインターネット的だと思いますし、そこが好きです。Facebookはどちらかと言うとmixiと似ていて、やはり元々友だちとの深いコミュニケーションをするという場所だと思うので。
 今、日本のソーシャルメディアはTwitterとFacebookが大体同数の人に利用さ れています。それはある意味で健全な状態だと僕は思っています。情報や人との新しい出会いの場はTwitterで、リアルに絞った人間関係はFacebookで、と両方を使い分けている今の状況で良いと思います。

 

今はソーシャルメディアを使いこなして何でもやっている学生は多いですよね。

 もちろんすべてとは言いませんが、今の学生は当たり前のようにソーシャルメディアを使いこなしている人が多いですね。僕らの時は、インターネットは大学生という時間が有り余るときに台頭してきて、その勃興期に僕らはいました。
 TwitterやFacebookは特に、第二のインターネットの発明であり、その勃興期に今の90年代生まれ前後の世代が今います。その世代が、大学生の時にたくさんソーシャルメディアに触れ、次の時代を創りイノベーションを起こしていくんだろうと感じています。

 

学生が情報発信する上で、心がけておいて欲しいところはありますか?

 まず、基本的にパブリックなものであるという意識を持つことです。
 ソーシャルメディアはパブリックにものを言い、考えて情報を発信する「訓練の場所」として非常に効果的だと思います。例えば、誰かの悪口を言ったらそれが本人に伝わる可能性があるなどを含め、自分の発信した情報がどれだけパブリックなものなのかということに関して自覚的な姿勢は持つべきです。
 その感覚がないと、飲酒運転を告白して叩かれたりしてしまいますから。

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