2012.01.20

価値観の取捨選択、そして創造

株式会社ALMACREATIONS 代表取締役社長 / 神田昌典part2

神田昌典-325

株式会社ALMACREATIONS 代表取締役社長 神田昌典

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今回は『ReLife×神田昌典氏インタビュー(後編)』です!⇒前編はこちら
「日本人としての誇りを忘れてはならない」
「今、僕たちが日本人としての心を取り戻さなければ、日本はどうなるのか?」
「神田様の、そして僕たちの描く「日本」とは?」

一つ一つの言葉が重く突き刺さってきます。
しかしそれらを受け止め、考えなければならないのです。

 

「日本の『国』としての在り方」


これから日本という国の概念は無くなっていくのでしょうか?


 日本人として生まれたからには、無くなってほしくないですよね。
 でも歴史の大きな流れから考えると、国と言う概念や、もしかすると国境が変わるということも無いとは言えません。現実的に、EUと同じようなあり方でAUが構築されていくというのはあると思います。そのなかで日本がリーダーシップを発揮していくというのはとても必要な事です。
 なぜならば、中国が民主化の運動によって一時的に国が機能しなくなった時に、民主化に向けての設計図を描くのはアメリカでしょう。軍備力で敵無しですから。それがいいことか悪いことかは別として。そして、アジアの中でリーダーシップを発揮しないといけないのはおそらく日本でしょう。

 そうすると日本人は日本の国益だけを考えていてもしょうがないわけです。アジア全体がどういう風に安定し、そのなかで、日本がどう役立つことが出来るのかということを真剣に追求していくことが必要です。そう考えると、中国も20年後には高齢化社会です。その時、日本は高齢化社会のなかで既に様々な矛盾を体験してきてるわけですから、中国がそうなる前に、様々な問題を日本でプロトタイプ的に解決し、中国および他のアジアの諸国に、中国と一緒になって展開していくということが必要になってくるのではないでしょうか。 

神田様ご自身も日本という概念は消えてほしくないとお考えですか?


 それはもちろん、国は消えてほしくないですね。
 概念が消えるというのはどういうことかと言えば、いわゆる中華経済圏に入るということです。僕らはそういう意味では相当賢く立ち回らないと、国が消えてしまう可能性、そして危険性すらあるということです。
 例えば、香港というはイギリス領でした。それが中国に飲み込まれました。
 そして、台湾。
 李登輝氏らが独立運動をやっていたわけですが、では、今の経済状況の中、本当に台湾が政治的に独立を果たしたいか、それが国民の総意なのか、というと現実問題として難しいと思うんですよ。
 中国は非常にうまいですから、飴と鞭の政策で、もうパスポートコントロールでは「台湾ウェルカム、台湾人ようこそ」です。  
 そういうなかで中国とお付き合いすると、今の台湾の国力とは比較にならないほどの経済力を持ってしまう。
 人間と言うのはお金の流れる方に移り変わっていきますから、戦後の日本が日本の魂を失ってアメリカ化していったように、これを押しとどめるのは相当難しいでしょう。


 では次にどこ行くかというと、今の彼らの発想からすると、沖縄です。
 沖縄の人達というのは歴史的に見て、必ずしも日本の領土だったわけではなかったです。更に、日本の政府は沖縄に対して歴史的に正当な扱いをしたかと言うと、そうではないことがいっぱいあるわけです。
 そんな中、沖縄に国内から入って来るお金と、中国から入ってるお金で、中国の方が10倍も多く入ってくる。なおかつ中国が極めて素晴らしい理念を掲げて、「少数民族にも我々の国は平等に」ということを打ち出し、人種差別も無いマルチカルチャーな国になりましたと。
 そうすると沖縄が中国の領土になる可能性というのは無いとは言えない。では、そんな時に何が必要かと言えば、僕らが日本人として何をもって日本人とし、いったいどういう世界観を築いていくか、ということなのです。 

 例えば、僕もそうですが、あまりにも不思議な事を言っている、と日本ではバッシングされました。まあ不思議ではないかもしれませんけども、貨幣がなくなりますよとか、そういうことを言っているわけです。ですから必ずしも僕の言説や経営ツールというものが、日本の大企業の中で使われるかと言ったら、今のところそうではないのです。
 むしろ、教育の方が先を行っています。企業の中ではそれほど、ある意味では、工業化時代に生まれたロジカルシンキングツールの方が一般的なのであって、よりクリエイティブな思考ツールというのは受け入れられない。企業ではクリエイティブな人材というのは面倒くさい存在になるので、ダメなわけですね。僕は企業を優しい収容所と呼んでますから(笑)。

 そういう中で、例えば講演会をやったとしても日本では5000円で500〜1000人集まるかという感じです。一方中国では、50万円で5000人ぐらいの経営者が集まる。巨大市場なわけです。その巨大市場が、今たまたま、共産党、独裁主義なのでラッキーなんですよ。

 やはり共産党のやってきたことが、完全には信用出来ないと思っているからこそ、あの経済力に感情的な部分までは共感出来ない人が多いわけです。
 ところがこれが大きく変わって、極めて崇高な理念を掲げて、少数民族を大切にして、というようなことを急速にやるようになった場合です。その場合、沖縄の人達は、そして日本のキーパーソン達はどちらに向くか。すると日本人というのはいい加減なので、むこうを向くわけですね。
 するとその中で日本人である事を忘れてしまう人だっていっぱいいるわけです

 おそらく数年後には、日本と上海の美容師の年収を比べれば、上海が日本の倍位になるでしょう。それをチェーン展開したところであれば、もう年収レベルで言うと半端じゃない位違いますよね。
 飲食店でも全くそうで、日本だと新しい飲食店を開いても出る余地はないんだけど、向こうだと気力さえあれば、飲食店を開いてチェーン展開をして億万長者ということもあり得ます。事実、ラーメン屋が大富豪になっていますからね。
 このようなマネーゲームが行われているわけですよ。その中で、日本人として金銭的なベネフィットに飲み込まれないという気概を持てる人がどれだけいるか。相当少ないのではないかと思います。
 まずそこの波に乗れるかどうかということがひとつの大きな試金石で、次に中華経済圏に飲み込まれないかどうかということです。中華経済圏というより中華文化圏と言ってもいいかと思います。

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