2014.09.02

起業家への、最初の一歩を。

株式会社ウィルフ 代表取締役社長 / 黒石健太郎

kuroishi

株式会社ウィルフ 代表取締役社長 / 黒石健太郎

東京大学法学部卒。株式会社リクルート入社後、採用・育成・社内活性コンサルティング等の営業、新規事業の戦略企画、立ち上げに従事。
2013年6月株式会社ウィルフ(WILLFU)を設立、代表取締役社長に就任。
サイバーエージェント様のアントレプレナーイノベーションキャンプ優勝。

 

【起業家への、最初の一歩を。】

現在の事業内容についてお聞かせて下さい。

 起業を考える大学生が、「起業」を学ぶビジネススクールです。「新しい事業を立ち上げたい」そんな思いがあるにも関わらず、何から始めていいのか分からないという学生さんを対象に、起業に必要な経営スキル学習の場と、自分たちで事業を立ち上げてみる起業体験の場を提供しています。サイバーエージェントのグループ会社社長など、先輩経営者の指導の下、自分の事業プランを磨いていく場も提供しています。ACADEMY卒業後、すぐ起業できる状態まで導くのが、このビジネススクールの特徴です。

事業を立ち上げようと思ったキッカケは何ですか?

 リクルートで働いている際に、「ホンキの就職」という就職支援サービスを立ち上げたのですが、その事業を通じて、思いを持った優秀な学生さんにたくさんお会いしたことがキッカケでした。多くの就職活動生とお話しをしていると、中には、やりたいことが明確になっている学生さんや起業したいという意志をもった学生さんがたくさんいることに気づきました。また、じっくりお話しをしていると、その思いを実現できそうな能力がありそうな学生さんもたくさんいることに気づきました。しかし、そういった学生さんに、「だったら、今すぐ自分でやればいいじゃん」とお伝えしても、誰もやらなかったのです。誰もが、自分がやりたいことを、「いかに、『就職を通して』実現するか」とだけ考えており、実現する選択肢を極端に狭めて考えていました。その理由は、就職活動にはタイミングがあり、そのタイミングを逃すともはや就職できないという切迫感があったからです。しかし、そんな理由で、人生の選択肢を狭めるのはもったいない。それは、その学生さんにとっても、人生の選択肢を狭めていてもったいないし、社会にとっても、イノベーションの可能性を減らしていてもったいないと思いました。そこで、学生さんが、当たり前のように、「自分で事業を立ち上げられる」プラットフォームを創りたいと思い、ウィルフを立ち上げました。

学生起業家の共通点について詳しく教えて下さい。

 WILLFU STARTUP ACADEMYを立ち上げる際に、たくさんの学生起業家さんにヒアリングを行ないました。すると、ほぼ皆さんに共通する点がありました。それは、文化祭の店舗運営やクラブイベントの企画、学生団体を企業協賛型で立ち上げてみる等、ちょっとしたビジネスを、経営者視点で取り組んでみた結果、結構な利益があがったという成功体験を積んでいる人が多かったということです。ある学生起業家さんのきっかけは、文化祭だと聞きました。文化祭でお店を出す際に、コンサルティング会社で働く先輩から経営スキルを学び、市場調査や競合分析などを行い、ちゃんと戦略を立てて出店してみたそうです。すると、周りの店舗の3倍くらいの売上があがり、しかもメンバーに人件費を払ってもかなりの利益が残ったそうなのです。その体験から、「ちゃんと戦略を立てて取り組めば、起業してもやっていけるかもしれない」と思い、会社を立ち上げて起業したと言っていました。ただ友達と仲良く模擬店を出すのではなく、経営者として戦略を考えて模擬店を経営してみる。そのような経験は、普通にしていると意外と得られません。そのため、そういった起業体験の場をビジネススクールの中で、提供をしています。

今後の展開はどのようにお考えですか?

 学生起業を支援するビジネススクールを拡げていくことで、卒業生の学生起業家から成功事例を生み出し、「M&A採用」という新しい就職市場を創りたいと考えています。今の就職活動の仕組みは、優秀層の方にとっては、学生側にも企業側にも、不幸な仕組みになっています。企業は、本当に優秀な人であれば、何億円払っても採用したいと思っています。しかし、面接や書類だけでは判断できないと思い、一律横並びの採用しかできていません。また、優秀な人は、新卒で与えられる仕事だと満足感を得られずに辞めてしまい、離職率も高い。一方で、学生側も、自分の能力を面接と書類だけで伝えきれないことに理不尽さを感じています。そこで、学生時代、特に1年〜2年生の段階から起業しておくことにより、卒業時点で「会社を売却する」という選択肢がとれるようなプラットフォームを創りたいと考えています。それにより、企業側は、会社の実績を基に、学生の能力を正確に把握できるようになるし、入社後も、自分がやりたいことに取り組ませることで定着率も上げられる。一方、学生側も、会社売却によってキャピタルゲインも就職先も得られ、かつやりたい仕事を潤沢な資本の下で行なえるようになる。そんなハッピーな市場を創りたいと考えています。

最後にReLife読者へメッセージをお願いします。

 「起業」というと、「自分とは遠いもの」、「ハードルが高そう」と思ってしまう方が多いようです。ただ、文化祭など、ちょっとしたビジネスを、本気で経営者視点で取り組むことから、起業家は生まれています。その事実を踏まえ、まずは起業を体験してみることから、ぜひ、始めて頂きたいなと思っています。起業家への、最初の一歩を、ともに踏み出しましょう。