2009.03.23

地球にベネフィット

株式会社アクティーエージェント / 藤田 利久

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株式会社アクティーエージェント 藤田 利久

モバイルを中心とするコンテンツを手がける藤田社長。 他社の真似できない斬新な視点と人脈形成力によって、優れたコンテンツを次々に生み出す一方で、「地球にベネフィット」「人と人との繋がりを大切に」を企業理念として、高い志を企業活動として実現されています。

「他社に類例を見ないモバイル事業」

プロフィールを伺ったのですがスクウェア社に入ったのは就職時からだったのですか

 いえ、もともとはWebデザイナーをしていました。その後法人向けの営業をして、大阪市内で、1日100件ほど飛び込みをしながら、専用線を販売していました。営業をしながらも技術の勉強をしておりました。その後、技術者へ転向。スクウェアにて「ネットワークゲーム事業を始めるからオープン系の技術者がほしい」というオファーがあり入社しました。


Webデザイナーになろうとしたのは、学生時代とか、昔から興味があったのですか

 大学時代から興味がありました。大学にはスポーツ推薦で入ったのですが、大学の計算機センター、つまりパソコンを用いる授業で補助員の学生アルバイトをやっていました。ほぼすべてのパソコンを扱う授業で後ろに立って、判らないところで生徒が手を挙げたら、先生の代わりに教えるということを行っていました。 その間、まだ誰もWebサイトを自分で作ったことがないような時代に英語の書籍を読み、Webサイトを調べ、独学でWeb制作について学ぶ時期がありました。今では誰でもWebサイトを作ることができるのですが、先駆け的にそれを始めました。それがきっかけで就職活動を始めて1社目のプロバイダの社長が気に入ってくれました。私は3回生までに卒業に必要な単位を全部取っており、「いつから来れるのか」と聞かれたので、「明日からでも行けます」と答えたら、「なら明日から来い」と言われました。 そうして4回生のときはゼミ以外は、正社員のWebデザイナーとして働いていました。その後、当時の会社が銀行の貸し渋りにあって業況が悪化し、卒業前にIIJというプロバイダに再就職しました。当時、学生のときから技術者として働いている人間は少なく、その知識を活かして法人営業をしないかと言われ、IIJで法人営業をやることになりました。


幅広い仕事をされるなかで、現在の会社でモバイル関連の事業をされることに決めたのはどのような経緯によるものですか

 商売は押し付けではいけないと考えています。例えばパソコン販売というのは、苦労して培ったノウハウもあり、お客様に喜んでいただきやすいのですが、粗利が少ないですし、存続が厳しいんですね。価格競争に陥るとサービス品質も下がってきます。お客様に呼ばれても、本来は3回行きたいところを1回でなんとか 収めないと黒字にならないというような、葛藤することが出てくるんです。そういう中、他社がしていないが今後需要が出てくる、宣伝しなくても買ってくれる、パートナー様が売らせて欲しいというような商材の開発のために常にアンテナを張っております。それで見つけたのがモバイル事業ですね。弊社のモバイル事業というのは、本当に他に類例を見ないものでして、キャスティングなどのプロモーションからコンテンツ制作、データセンタ運用、公式化、携帯動画配信まですべてやります。たとえば、芸能人を連れてきて、マスコミを集めてイベントをやって、一般のユーザーをWebサイトや携帯サイトに集客する。さらにそのWebサイトや携帯サイトに高画質な動画を流す。そして、その動画やコンテンツを配信するデータセンターの運用までも自ら担当する。従来の広告代理店と、コンテンツ制作会社、システム会社が一つになったような会社です。 お客様はワンストップで済み、本来別々に交渉しなければいけない手間を省けます。

 弊社はSEOなどより、アナログな部分を大事にしております。アナログとITの良いところ取りをお客さまに提案します。 Webサイトを制作するだけでなく、そこへの集客として、ニュース性を持たせる。例えば、人気のタレントさんを使ったりであるとか、文化人の方とのタイアップ。これはSEOより効果があります。費用的には継続的にSEOを行うより安価です。例えば現在ライブ活動だけで、CMには出ない芸能人の方もツテで引っ張ってくることもできるんですね。元芸能人のマネージャーの方々ともつながりがありまして、やはり人脈が宝です。

会社を立ち上げてまだ3年未満ということですが、現時点を会社にとってどのような時期と位置づけていますか

 大阪でやっていた「地域密着」というのは成熟して、こちらから営業活動を行わなくてもお仕事をもらえるようになり、本当にうれしい悲鳴だと思います。東京支店はまだ去年の9月25日に立ち上げたばかりなのでまだまだこれからです。 弊社は社員10人を超えないというポリシーで運営しています。

 弊社では、一つのWebサイト案件でも、Webサイト案件として引き受けるのではないんです。 プロモーションのツールとしてWebサイトがあり、DTPや携帯の動画などもあります。きれいなWebサイトを作るのが本来の目的ではなくて、その先にある受注であったり、ファンづくりが目的なわけです。でもそれ はSEOだけでは実現できないですよね。できるとしても、そういうサービスは少ないと思うんですよ。mixiのように、webサイト自体が商品の場合は良いのですが、そうじゃない場合、いかにして魅力あるプロモーションができるか。アナログだけでも駄目なんですね。人気のあるタレントを連れてきて、イベントしてもそれだけだと受け皿がないですよね。 実際に実店舗に来てくれと言ってもなかなか来てくれないですから。イベントといったアナログ媒体とWebといったデジタル媒体を上手く融合させる。ITとアナログの良いところ取りをするというのが大切ですね。


「ITとアナログの良いところ取り」というのは難しいことのように思えるのですが、何が一番難しいですか

 まず、一般の方に理解してもらおうとしても、簡単にはいかないですよね。 パッと聞いても漠然としか分からないんですが、それを自分たちで実際にやることですね。たとえば、DTPの苦しさ。Webでしたら、納品後に誤字脱字が見つかっても、あとで直すことができるんですね。DTPはたとえば100万部刷ってしまったら、誤字脱字や間違いがあった時は全部刷り直し、あるいは納期が間に合うのかなど。折込みにして新聞の配達員さんに配ってもらう時は、何日までに折り込んでもらわないと間に合わない、などの問題が多々あります。Webしかやったことがなくてアナログの部分が分からないと、アナログに関する提案をしようとしてもできないですよね。弊社も失敗をして、刷り直しをして、お客様に迷惑をかけないよう自腹を切ったことがあります。

 そしてITの方でいえば、確かに作り直しはできるのですが、本当にそこまで見に来てくれるのかという問題があります。 昔でしたら、Webを作ったら見に来てくれました。ブックマークの雑誌が売れるような古き良き時代もありましたが、今はいくらきれいに作っても見に来てくれないですよね。見に来てくれても、実際は、本来来てほしいお客様じゃないかもしれないですよね。Webというのは、それだけでは単なるカタログなんですね。それにプラスアルファするためには、プロモーションの部分で、いかに面白いものを乗せていくかというところが大切です。相手は多様な趣味をもった人間ですからきれい事だけのITだけでは無理なんですね。

 弊社は面白い媒体を持っています。BtoCで、若い方向けにサービスをされているお客様でしたら、有名なマンガ雑誌に一から書き下ろしでオリジナルマンガを描いていただいて、連載していただく。そうすると読者はブログに書き込むんですね。「なぜかこれが載ってた」と。某有名なオンラインゲームの連載マンガはすごく話題になって、口コミにもなりました。そういう他社が持ってないような、特殊な宣伝媒体・アナログ媒体、さらにそこに載せたものをWebサイトに載せても良いという交渉も提案次第で可能です。

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