2011.06.14

アスリートを無限のフィールドへ

一般社団法人アスリートソサエティ / 為末大

為末

一般社団法人アスリートソサエティ  為末 大

2003年に大阪ガスを退社し、より厳しい環境を求め、「プロ陸上選手」となる。

2007年全国の小学校を訪問し、陸上の普及を目的とした「キッズアスリート・プロジェクト」への参加、さらに東京・丸の内の公道を封鎖し、陸上のPRを図った「東京ストリート陸上」実現など「陸上宣伝部長」としても活躍中。

2010年8月アスリートソサエティを設立し代表理事に就任。

 

「社会との繋がり」

スポーツ界の問題点とは?

 スポーツ界の問題点というものはたくさんあるんです。一番の大きな問題というのは選手の引退後のキャリアなんです。人生というのが、途切れ途切れになってしまっていることが、問題なんですね。スポーツ界を引退したとき、
そこから就職する道がとても困難なんです。引退が早い時期のスポーツもありますし、オリンピック選手を目指していた選手などはより多くの問題を抱えていたりしていて、選手の人生を考えると非常に限られた道しかなくなってしまうんです。選手たちが置かれている現状を色々考え、社団を起こしました。選手たち自身が解決できる問題ももちろん多くあります。選手たちが動けば、状況が大きく変わるなと感じることも多くあります。まずは、選手たちが自分たちから目覚めるようになるキッカケを与えられるような団体にしていきたいと
思いました。企業と一緒に商品開発したりもしますし、今回の震災では、被災地に行き被災地支援などをしておりました。そうようなことを少しずつ手がけております。

社会との繋がりとは?

 スポーツの世界は隔離されているんですね。オリンピック選手に会われたことありますか?多分実際に何食べてるの?とか、どこ住んでるの?みたいに、得体が知れないイメージを持たれているんです。そのため、スポーツが他の世界から隔たりがある物だという認識があるんですね。スター的な存在として、活躍できる場所があるので、現役の間はそれでいいかもしれないんです。しかし、本当に自分で電車のチケットを取ったりすることがないような選手もいたりして、特に高校から実業団に入った人などは本当に隔絶された世界で過ごしている人が多いんです。自分たちが社会と触れられないんで、自分たちが実際将来なにをしたいのか、具体的に夢も浮かばないんです。そのような隔離されていることが、ものすごく問題だと感じているんですね。

日本のスポーツ界が専門性を強いるとは?

 ざっくり言えば日本のスポーツは少し社会的な側面があるんですね。スポーツには、スポーツの名を使って、名を知らしめるという考え方と、スポーツをすることで、自分の人生を豊かで開けたものにしていくという考え方があるんです。どちらかというと前者の色合いが、日本のスポーツ界には強いんです。僕らがやっているオリンピックのような競技は特にその考え方が強くて、選手たちは皆いわば、国益や、国の名を広めるために頑張るといった方針のもと、使い捨ての人生になってしまっている気がするんです。
選手たちが甘んじて乗っかってしまっているところもありますが、それが故に人生が狭まっているので、自分の人生は自分で考えていかなければいけないんです。

為末さんがその問題点に気づき、踏み出したきっかけとは?

 多分、自分はアマチュアスポーツからプロになった選手だから気づけたのだと思います。プロになってみたら、実は自分がとてつもなく特殊な世界で過ごしているんだなということに気づいたんです。例えば、普通の人が普通いしているようなロジックが、スポーツ界では成り立たたなっかったりするんですね。人間というものは多様性や色々な考えを身につけると思うんですけど、スポーツ選手の人脈というのは本当に限られているんです。例えば陸上界、陸上選手しか知らないんですね。それだと、考え方が固まってしまって、引退後なにをしようかなどの、他のビジネスを知らないから、具体的なロールモデルが浮かばないんです。そういうところが、他の選手と僕が違うのは、プロに成り、早くに社会に出て、生き抜いていかなきゃいけないという問題意識を持っている事が大きかったんだと思います。

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