2012.11.01

人を生かす社会を作るためのレバレッジポイントは人事だ

株式会社人材研究所 / 曽和利光

曽和さん

株式会社人材研究所 曽和利光

株式会社人材研究所 代表取締役社長。
京都大学教育学部教育心理学科卒。学生時代に学んだ心理学を生かして人事の道へ進む。

リクルート人事部ゼネラルマネジャー、ライフネット生命総務部長(人事責任者)、オープンハウス組織開発本部長と人事採用部門の責任者を務め、主に採用・教育・組織開発の分野でさまざまな実務やコンサルティング等を経験。
人事プロデューサークラブエグゼクティブパートナー、GCDFキャリアカウンセラー 他。

2011年10月に株式会社人材研究所起業。現在、人々の可能性を開花させる場や組織を作るために諸事業を展開中。
Twitter: @toshimitsu_sowa

 

成長を喜ぶ学校の先生と人事は似ているかもしれません

曽和様の経歴と、現在の事業内容ついてお伺いしてもよろしいでしょうか?

  私は、当初は大学に残って心理学者になりたいと考えていました。しかし、当時の心理学は、社会のど真ん中で実際に働いている人に対するフィールドがあまりありませんでした。だったら社会に出て、今までの心理学、教育学の知識を使って社会に貢献しようと思いました。そこで、出会ったのが当時「日本株式会社人事部」と称していたリクルートです。これだと思い入社し、以降足かけ約15年間リクルートで働き、最後には採用の責任者までやらせて頂きました。その後、成長企業で人事全体を担ってみたいとライフネット生命に転職しました。人事部長や総務部長、経理部長あとは法務などの管理部門全般をやらせて頂きました。それぞれの会社にはものすごく感謝しています。  
 そして、去年の10月に株式会社人材研究所を設立しました。人と組織が持っている可能性を最大化することがビジョンです。企業が新卒採用、中途採用で良い人材を取りたい時にはコンサルティングをし、面接代行もやらせて頂いています。最近はエージェントを使って転職する人も多くなっているので、我々は採用の代行的エージェントと言えるかもしれません。このような採用のアウトソーシングと、自社での人材紹介を最初の事業としてやっています。

人事の部分をアウトソーシングするメリットはどういったものがありますでしょうか?

 最終的には人事は会社で行ったほうが良いと思います。そもそも最初は社長自身が行い、それで十分な場合もあるのですが、ある時期を超えたら社長だけの力じゃ厳しい時があるんです。まあ、400人ぐらいまでやった社長もいますがそれには大変な力量がいります。しかし、だからと言って、急に採用マネージャーや、人事部長をとるのは非常に難しいんです。人事経験を持っていればいいという訳ではなくて、会社や経営者や社員と、組織観や人間観を合致をさせなれば機能しません。そこで、我々を一時的に使って頂いて、一緒に「求める人物像」の策定や表現方法、採用における様々な部分を代行させて頂くことで、客観的な目線と共に効率的な採用プロセスを作るお手伝いができればと考えています。採用を一緒にやらせていただくことで、その会社の理想の採用スキームを確立し、その後、徐々に内製化のお手伝いをしていくという流れも大事になってきます。

起業する前と今とでは何か違いはありますでしょうか?

 実は特に感じないんですよね。社員として働いていた時から、自分が社長という意識を持ちながら常に仕事をすることを心掛けてきていました。リクルートの採用責任者をしていた時は、リクルートという会社から採用を請け負った社長のつもりでやっていましたので。それが今に繋がっているのかもしれません。ただ、お金の問題だけは切実で、日々どきどきしながら、投資しています。

 

人事という仕事の現実、やりがいはどんなものだと思われますか?

 人事の現実としてはまず、普通の仕事と違い「結果」が見えにくいというのがあります。採用人数自体は明確にわかりますが、それが本当に良い採用だったかどうかは直ぐに目の前には見えない。なので、やりがいを外からの評価に求める人は、人事に向いていないかもしれません。見えない物なので、他人に善し悪しを頼ることなく、常に自分の中に人や組織の理想を持たなければいけません。人事になるんだったら、周りからインセンティブを貰う事をモチベーションにするのではなく、自分の中で使命感や責任感、理想をどこまで追求できるかを意識すべきだと思います。  
 逆に、長期的には人事は非常に面白いです。これ以上ないくらい。例えば採用した人が10年後にスターになった姿を見る時は嬉しいですね。自分たちがチャンスという機会を提供できたと思うと嬉しいですね。もしかしたら卒業生の成長を喜ぶ学校の先生と人事は似ているかもしれません。

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