2015.07.17

感じたままに行動すれば良い

らいおん建築事務所 / 嶋田洋平

shimada

らいおん建築事務所 / 嶋田洋平

らいおん建築事務所代表取締役、北九州家守舎代表取締役、都電家守舎代表取締役、リノベリング代表取締役。1976年福岡県生まれ。東京理科大学理工学研究科建築学専攻修士課程修了後、建築設計事務所「みかんぐみ」チーフを経て、2008年らいおん建築事務所を設立。2012年北九州家守舎を、その翌年には都電家守舎を設立し、生まれ育った北九州市の小倉、そして家族と暮らす豊島区雑司が谷の間を行き来しながら縮退エリアにおけるリノベーションまちづくりによる再生事業を行っている。小倉魚町での実践によって「国土交通大臣賞」「都市住宅学会業績賞」「土地活用モデル大賞審査委員長賞」「日本建築学会賞教育賞」を受賞。著書に「ほしい暮らしは自分でつくる ぼくらのリノベーションまちづくり」(日経BP社)、共著に「2025年の建築 七つの予言」(日経BP社)、「最高に気持ちいい住まいのリノベーション図鑑」(エクスナレッジ)等。

 

【らいおん建築事務所ホームページ】

http://www.lion-kenchiku.co.jp

 

 

【自分で考え抜く】

建築家を目指すようになったのはいつですか?

 高校生の時ですね。建築家である磯崎新さんが設計した北九州市立美術館を目にして、自分もこんな大きなものを建てたいと思いました。そしたら、モテる!とも思いましたしね(笑)。

卒業後、どのような進路を歩みましたか?

 建築を学んでいくうちに大きな建物を建てるのではなく、もっと小さい、一人の人間が使う住宅や空間を創りたいと思いました。個人の思いを形にするほうがおもしろいと思ったから。それで、最初に「みかんぐみ」という住宅などの小さいものを建てている建築事務所に入社しました。

 後に建物を建てること自体に対する考えが変わったのですが、それは後で話します。

どのように就活を進めたのですか?

 2001年3月に大学院を出ましたが、そのときにいわゆる就職活動はしていませんでした。リクナビのサイトを開いたときに「これは無理だ」と思ったのです。行きたい会社がなくて、志望動機を書けませんでした。建築学科の学生にとっては、建築家になるのが一番輝かしいキャリア。だと思い込んでいたので、僕は、設計ができる建築事務所で働くという道しか選びたくなくて。そんな中、僕は就職活動をしないで教授である小嶋さんの仕事のお手伝いをしていました。

 就職に対して不安はありましたけど、「もし、無理だったらなにかアルバイトをすれば生きていけるだろう」と、ポジティブに考えていましたね。やりたいことが無理だったら、そのときは考え方を変えれば良い。選ばなければ、仕事というのは無数にありますし。

 そんな時に、縁あってみかんぐみで人を探していて、入社しました。

嶋田さんは、どのように本当にやりたいことを判断するのですか?

 ほとんどの人が「自分に合った仕事を見つけよう」と考えていますよね。でも僕は、それは違うんじゃないかと思います。そもそも自分に合っている仕事なんてないと思うからです。自分に合っているかを決めるのは、あなたではなく社会です。結局、「社会からどう要求されるか」が重要であって、自分の意思とは関係ないところで決められてしまう。

 就活にしても、企業は、「あなたがその企業に合うのか」を見ている。決定権は就活生には無く、学生は企業から要求されていることに応えるしかない。そこで、本当にやりたいことと仕事がマッチすればとてもラッキーだと思いますけどね。

 だから、自分に合った仕事を探そうとするのはそもそも間違いじゃないかと思うんです。正社員ではなく、アルバイトして生きていくという道もあります。仕事は無数にあります。あまりにも違和感を感じている生活だったらやめれば良い。おかしいなと思う生き方はしなくていいと思うし。直感的に考えて、気楽に感じたままに行動すれば良いと思います。人間も結局は動物ですから。

 親たちの世代の価値観と今の社会は大きく違う実情になっています。だから、親の助言を聞くのだけではなく、自分で考えるというのが大切です。自分が選んだ道が正しいかなんて分かりません。でも、それを自分で正しくすれば良いと思います。

 ただ、今の就職活動では自分に合った仕事を探すという風にはなってないってことを頭に入れとかないと、傷ついてしまうかもしれない。僕は「自分に合ったものが見つからなくても、大丈夫だということを伝えたい」ですね。

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