2010.09.15

考える力を持ち、本質を捉えよ

傳田アソシエイツ株式会社 / 傳田 信行

傳田アソシエイツ株式会社 傳田 信行

今回インタビューをさせて頂いたのは、傳田アソシエイツの傳田信行社長。
改めて説明するまでもない、世界ナンバーワンの半導体メーカー、インテル。
傳田氏は、そのインテルの日本支社で社員番号1番から、代表取締役社長・会長を歴任されてきました。

当時、無名ベンチャーだったいうインテルを選んだリスク・テイキングの精神もさることながら、
尚且つ、急成長を遂げるインテルで生き残ってこれたのは何故だったのか?!
そもそもこれからの日本企業ってどうなるんですか!?など、色々とお伺いさせて頂きました!

「当時、全く無名だった『インテル』」

御身体の具合は如何ですか?(*傳田さんは2009年に腎臓移植手術をされました)

もう大丈夫です。ピンピンしています。医師にも、「傳田さんの自己管理はバッチリですね。」と言われました。私はインテルという外資系企業で1971年から2001年まで、30年間働き続け、社員番号1番から日本法人のトップまで登りつめました。インテルでは自己管理ができない人間はエクゼクティブには就けません。徹底的なセルフコントロールの習慣が、身体に染み付いているんでしょうね。

なぜ日本アイシー(*後のインテル日本支社)に入社したのですか?

私はベビーブーマー世代で、地方都市にも関わらず、一学年15クラスという、全てにおいて競争社会の中で育ちました。また大学では学園闘争という事でほとんど勉強する事がなく、就職活動どころではありませんでした。だったら、誰も行かない所に行って、そこから成りあがってやろうと思ったんです。そんな時に、先輩から日本アイシーという会社の社長を紹介されました。
当時はトランジスタや真空管が主流で、半導体のハの字も無い時代です。しかし、半導体という未知なるテクノロジーに惹かれて、入社を決意しました。ベンチャーでしたから、すぐに潰れる可能性はもちろんありました。しかし、当時の私はむしろチャンスだと捉えてたように思います。

当時のインテルの規模はどれくらいだったのですか?

今でこそ知らない人はいないほどの大企業ですが、当時はアメリカの西海岸にある本当に小さなベンチャー企業でした。全世界を合わせても社員は100名もいません。クエスチョンマークが100個出るくらいの、全くの無名企業ですね。

入社当時の思い出を教えてください

入社当時は社員数10名ほどで、新卒といっても即戦力。いきなり戦場に放り込まれた気分でした。大学でもほとんど勉強をしていなかったので、遅れた分を取り戻そうと昼夜も問わず必死になって仕事をしていたのですが、半導体の知識は一朝一夕で身につくものではないので、本当に苦労しましたね。20代の頃は失敗ばかりでした。

どのような失敗を?

言えないような恥ずかしい失敗を沢山しました。例えば、半導体の営業に行ったにも関わらず、お客さんより知識が無かった、なんて事があります。だけど、その時に素直に「分からないので教えて下さい。」と頭を下げて頼みました。そうすると、意外にも教えてくれるものです。その時に悟ったのですが、知ったかぶりをするより、きちんと恥を自覚し、素直に「わかりません」と言った方が、結果として可愛がられるんですよね。もちろん20代だから許される事ですし、同じ失敗は二度としないように一生懸命勉強もしますが。
20代の約10年間は失敗の繰り返しでした。恥をかいては勉強、恥をかいては勉強を繰り返して、知らず知らずのうちにビジネスマンに必要なものが身についていったのだと思います。インテル時代、新入社員にもよく言っていたのですが、失敗は若いうちの特権なんです。40代、50代にもなって失敗だなんて、誰も指摘してくれませんからね。

当時、常に意識していた事を教えて下さい

入社してずっと心がけていたのは、「私はこの会社でなくてはならない存在になってやる。」という事です。英語も分からない半導体の知識も無い生意気な若造が、どうすればこの会社でバリューを発揮できるようになるのだろうか?と、ずっと考えていました。

傳田さんのバリューとは何だったのですか?

バリューとは、お客様に「デンダでなければダメだ。」と言わせる人間になる事です。私はそう呼ばれる人間になる為に、トラブルを最大限利用しました。一般的にはトラブルは避けたくなるものです。しかし、私は逆にトラブルを大歓迎しました。本来ネガティブなものであるはずのトラブルを、「あいつは絶対逃げない」と言われるようなバリューがつく、ビッグチャンスとしてポジティブに捉えたのです。トラブルを通じて、私はコミュニケーションやネゴシエーション学び、無形財産(=信頼)を築き上げました。他人が避けたがる中にこそ、バリューはあると確信しています。

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