2014.09.23

現役東大院生でバイオベンチャー起業 –事業と研究のシナジーを生み出す−

株式会社ジーンクエスト 代表取締役 / 高橋祥子

高橋さん

株式会社ジーンクエスト 代表取締役社長 高橋祥子

1988年生まれ。大阪府出身。2010年京都大学農学部卒業。東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程在籍中の2013年6月に起業。
DNAチップを使ったゲノム解析によって、病気のリスクや体質に関するゲノム情報を知らせるサービスを展開中。

 

株式会社ジーンクエストHP

https://genequest.jp/

株式会社ジーンクエストFB

https://www.facebook.com/genequest.jp

 

 

【研究とビジネスのシナジーを生み出す】

現在の事業内容を教えていただけますか。

 私たちは、個人のユーザー向けにゲノム解析サービスを提供しています。
このサービスは、唾液から抽出したDNAを解析し、「体質」と「病気の発症リスク」に関する情報を提供しています。この情報によって、事前に自分の体質やなりやすい病気を把握・予防することができます。私たちの事業が革新的な点は、膨大なデータを取得・解析することでビジネスと研究のシナジーを生み出す点です。まだこの分野は市場が確立されておらず、様々な可能性を秘めています。だからこそ、私たちが先駆者となり、この領域を開拓していきたいと思っています。

起業しようとした思ったキッカケは何でしょうか?

 キッカケは、このビジネスモデルを日本に創ったらどうなるのか、どんなに研究が進むのか、を自分の手で創って自分の目で確かめたいという好奇心です。「生命科学分野の研究を発展させたいという想い」と「世界中の研究成果をきちんと社会に役立てる仕組みを作りたいという願望」が根底にはあるのですが、いろんな人に無理なんじゃないのって反対されても起業してしまったのは、好奇心という完全に自己満足的な欲求です。どう考えても今やるしかないと思い込んでしまったんですよね。
 生命科学分野の研究って本当におもしろいのですが、まだまだ解明されていない未知の領域ってたくさんあると思います。私は大学で生活習慣病と遺伝子解析の研究をしてきたのですが、自分一人がプレイヤーとして研究していくよりも、この分野を持続可能な形で発展させられるような仕組みを作れたら素晴らしいと考えたんですね。そこで辿り着いたのがジーンクエストのビジネスモデルですこれをビジネスとして導入すれば、研究成果を使ってサービスを提供しながら間違いなく生命科学の分野の研究を加速できるという確信がありました。まだスタート地点ではありますが、私達のサービスはメディアにも取り上げられるようになり、多くの人から注目を集めています。
 もともと生命科学の研究に興味を持ったのは、親族に医師が多く、自分も医師の道へ進む可能性を小さいころから意識していましたが、「そもそも病気になる前に、予防できる方法はないだろうか」と治療だけに焦点を当てず、農学部なら幅広く生命科学に関することができそうだと思ったこともキッカケですね。

ご両親は起業したことについてどのように話していましたか。

 実は、起業したことを両親に打ち明けたのは会社を創ってしまった後なんです。(笑)父は「何をやっても応援するから自分の好きなようにすればいい」とすんなりと理解してくれました。さすがに母は心配して、安定した大手企業に就職することを望んでいたようでしたが、結局心配されたからやめるという性格でもないので、自分のしたい起業を選択しました。

お母さんがおっしゃるように、多くの人は「安定的な大手企業に就職したい」と考えていますが、その点についてどのように思われますか。

 私安定ってあんまり得意じゃないんですよね。いくら安定した生活が保障されていても、変化がある人生の方がどうしても高揚してしまう。それだったら、不安定でも毎日変化が激しいベンチャー企業の方が向いています。それに、不安定な会社の方が飛躍的に自己成長できると思います。私は結果として起業の道を選びましたが、もし就職する機会があれば学びの多いベンチャー企業を絶対選択すると思います。

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